会員拡大と吉里吉里忌
電友会も少子高齢化の潮流の中、東日本からの退職者が激減傾向にあり、活動方針の一つである「会員の維持・拡大」を図ることは、数字的にも困難な時代となりました。とは、言っても、手を拱くわけにはいかないことから、ここ2~3年に退職したOBへのアタック、特に、退職者の会会員への働きかけが極めて大切と考えています。“言うは易く行うは難し”ですが、“やるしかない”での取り組みが肝要でしょう。
しかし、第一は、目的である「会をより楽しく・生き甲斐に感ずる集まり」であること、と改めて感じています。そのためには、活動計画を遂行する役員の責任が重大ですが、その前提は、会員の活発な意見と協力、そして各種行事への積極的参加です。これらも“言うは易く行うは難し”ですが、役員と大いに議論を交わし、活動には、兎に角首を突っ込んでください。電友会は、お互いが触れ合いを楽しむ団体です。
先月19日、山形県川西町で行われた井上ひさし没後5年の吉里吉里忌に参加して来ました。全国各地から大勢の方々が訪れ、劇作家・演出家・演劇批評家による鼎談や浅田次郎(日本ペンクラブ会長)の講演をとおし「劇作家・作家井上ひさし」の存在の大きさを改めて知ることが出来ました。
浅田氏の講演の一齣にこんな話がありありました。
彼が、若手作家を日本ペンクラブへの入会を誘ったところ「入会して何のメリットがあるのか。」と問われたそうです。
井上さんなら機知に富んだユーモアで回答しただろうが、短気な私は「メリット!シャンプーのことか!」と頭に来て詰問した。と・・・
前日には、「井上ひさしと憲法」をテーマに、樋口陽一(井上と仙台一高の同級生、憲法学者・東北大学名誉教授)、山下惣一(農民作家)両氏による講座があり、憲法の読み方や歴史認識の問題、そして現行憲法を大切にした井上ひさしの情熱がエピソードや思い出を交え語られました。
二日間の講演等を聴いて、政治や宗教には関わらない電友会ですが、改憲に向けた動きに対しては賛否何れにせよ主権者としての明確な意思表示をすべき「時」と強く思いました。
山口 嵩 (前支部長)